「リスクはチャンスへの転機到来 (賀詞交歓会挨拶より抜粋)

 皆様、2019年明けましておめでとうございます。また、併せまして旧年中に賜りましたご愛顧ご支援に厚く御礼を申し上げます。さて、一昨年は創業、そして会社設立の120年、70年の周年記念年次となり、全ての目標が一つに収斂されることで全グループが熱く一つとなって経営活動を行い、目標を達成する事が出来ました。その集大成は一昨年12月の東京・名古屋証券取引所一部上場でありました。同時に行いましたエクイティ・ファイナンスにおいて多くのステークホルダーの皆様より応援をいただき、初期目標数字を達成することが出来ました。心より感謝を申し上げます。

 

 そして翌年の2018年、非常に爆発的な活動経過の直後、目標を見失わず、新しい設定目標をしっかり意識して一年を戦っていけるかが最も重要な課題だと意識してきました。そして、私達の何処かに、意識、無意識を問わず、誤った自信過剰や驕り油断が、生じてないかと心配をして立ち上がってきました。現在、第4四半期を残す進捗ですが、経営環境には多くの波が押し寄せてきています。活動そのものに影響する大きな緩みは見られず、グループ全体でも変わらず誠実に、着実に、目標とした生産性向上に向けて、また、働き方改革にも取り組んできています。現在も全速力で活動中ですが迫ってくるコスト増大、競争激化、の中で容易ではない戦いであります。しかし、グループ経営の強みを活かして、BtoB事業は着実に成果を出し、海外事業も苦労しながらプラス貢献へと変化をしています。「一人の100歩より100人の一歩」のグループ経営思想は難しい経営環境において、より生きてきています。

 

 ご承知のように、世界は自国優先主義や覇権主義の動きが加速し、米中の貿易摩擦から貿易戦争とも言える変化に突入し、危険な状況は続いています。欧州においても英国のEU離脱に関してはまだ混沌として出口が見えず、先行きは未だ不安定であり、世界経済に関しても予断を許しません。一方でグローバル化の波は消えることなく様々な分野で、特にICTの世界ではAI、IoTの活用は必須の経営課題であり避けて通れない生産性向上の重要なキーとなっています。貿易の面でもアメリカは不参加ですが、TPPは批准され一歩動き出します。世界の原副材料の流通は自由化に向けて新たな競争社会が生まれそうです。井村屋の主要原料である小豆も北海道十勝地方の天候不順の影響で不作となり、当然ですが供給不足は価格の高騰を招いています。一方で海外産小豆の輸入枠の拡大も動きが始まりました。日本の特産物である小豆も海外産小豆の活用に踏みきって行く流れも出てきます。まさにグローバル調達へのシフトは新たな競争を生み、安全安心の確保と付加価値の高い技術が新たに求められてきています。

 

 「SDGs(エスディジ―ズ)持続可能な開発目標」は世界が抱える問題を解決し、持続可能な社会を作る為に世界各国が合意した17の目標と169のターゲットですが、企業活動においても取り組むべきことは多くあります。井村屋グループにおいても研究を行いつつ、自グループで取り組むべき事を明確にして実行して行きたいと思っています。その一端ですが、昨年、「平成30年地球温暖化防止活動環境大臣表彰」を受賞いたしました。ISO環境マネジメントシステムの認証から始まり長く環境活動に関心を持って取り組んできたことが評価を受けました。それ以外にも第三者視点で対外的ご評価を頂けたのがいくつかあり、とても嬉しい事であります。その一つに井村屋株式会社の「日本経営品質賞経営革新推進賞」があります。もう一段の経営品質向上に向けて、今後の大きな励みになってまいります。

 

 「停滞は退歩である!」と言い続け、常に「もっと新しく、もっと次へ!」と前進を志向していますが、本年は「平成」が4月にて終わりを迎えます。新しい元号の基、新たな世代が活動を始めます。一方で人生100年時代の高齢化はさらに進みます。矛盾と混沌、個々と協働、離脱と参画、複雑系の世相がやってきそうです。だからこそ、よく自らが考えて「自分の手綱は自分で握る」必要がありそうです。より特色経営を磨き、「井村屋グループは井村屋グループらしく!」が大事なテーマとなります。

 

 昨年末に京都清水寺管主は2018年を振り返り、「今年の漢字」として「災」と記しました。確かに多くの災害が日本を襲い災いをもたらしています。その現場には常に天皇、皇后両陛下のお姿がありました。どれだけ多くの方の励みになった事かと思います。その陛下の年末の言葉は多くの方に感動を呼びました。寄り添う重要性を示されました。そして、美智子皇后様には誠実な労いのお言葉を示されました。平成が多様な事があっても「戦争」が無かったことへの安堵も述べられました。そして2019年は2020年に予定される東京オリンピック・パラリンピックの前年にあたります。5月には新元号がスタートしますが翌年のオリンピック・パラリンピックを機に更に大きな変革が予測されます。従って今年は極めて大事な「準備の年」と位置付けて活動をすることが、企業でも必要と思います。多くのリスクはチャンスへの転機到来と受け止めてまいります。

 

 皆々様ご企業様の益々のご発展を心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。ご清聴を感謝申し上げます。

以上

 

井村屋グループ株式会社
代表取締役会長
浅田 剛夫

 

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